2025年10月1日
2026年月とうさぎの物語
【月とうさぎの物語】

                        夜空を見上げたとき、月の模様が「うさぎが餅をついている姿」に見える。
                        これは日本人なら誰でも一度は聞いたことがある話です。
                        実はこの「月のうさぎ」、国や地域によって全然ちがう姿に見られていることをご存じでしょうか?
                        たとえば、ヨーロッパでは「大きなカニ」や「本を読む女性」に見えるといわれています。インドでは「ワニ」、中国ではやはり「うさぎ」ですが、餅ではなく「薬草を搗いている」姿だと伝えられています。これは不老不死の薬を作っていると信じられていたからです。
                        同じ月を見上げているのに、文化や神話によって見えるものがこんなに違うというのは面白いですよね。
                        また、なぜ日本で「うさぎがお餅をついている」となったかというと、平安時代の頃から「月の模様が杵を持つうさぎ」に見えると歌に詠まれ始めたことがきっかけだといわれています。当時の人々にとって、お月見とお餅は切っても切れない風習。そこから「うさぎ=お餅つき」というイメージが結びついたのです。
                        月のうさぎは、時代や国ごとに姿を変えながら、人の心に寄り添ってきました。
                        私たちが月を見上げるとき、そこには天体としての月と同時に、人々の暮らしや想像力が映し出されています。次に月を眺めたときには、自分の目にはどんな物語が浮かぶのか、ぜひ確かめてみてください。
                    

